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教師の意識改革

 今から10年前の平成611月、県立教育センター創立30周年記念行事の一環として、元慶応義塾長の石川忠雄氏による「二十一世紀における学校教育のあり方」と題する記念講演があった。

 氏は冒頭で「教育というものには、いついかなる時代にも変わらない、一貫して存在していなければならないものがある。変化に目を向けることは非常に大事だが、変化だけに目を向けることは必ずしも適当ではない」と述べられた。

 次に、人間が人間らしく生きていくためにどうしても必要な教育の基本的な部分として、「自己抑制力の育成」「知的財産の伝承」「個性を引き出す教育」の三つを述べられた。

 さらに、複雑で流動的で不透明な時代は今後も続き、過去にはなかったような問題が次々に起こってくる。したがって過去の経験だけでは問題を処理することはできない。

 そこで「ものを考える力」、つまり強い思考力を養うような教育を強化しなければならないと述べられた。そして、教師は、子供たちが自ら調査、研究、報告、批判、討論をしていくための教授法を考えていかなければならない。そのためには教師の意識改革が必要であると説かれた。

 今日、国をあげて教育改革が推進されている。教育センターも大きな機構改革が行われ、新たに総合教育センターとして生まれ変わり、時代に即した教育の方向性を見すえて、多くの研修・ 研究・相談などの活動が推進されている。

 広く見わたせば、科学技術は進歩し、情報化社会が到来しているにもかかわらず、児童・生徒の学力低下が指摘され、体力低下も問題視され、不登校の数も減ってはいかない。加えて少年犯罪が増加し、凶悪化している。これは、時代の急激な変化の結果、人間の内部では未消化のままに、人々が押し流されている様相といえる。

 こうした時代だからこそ、時代に流されることなく、つねに教育の原点を見つめながら、教育基本法や各学校の校訓や校則の基本理念と精神を教育の場で実践し、人間の基本的な能力である感性を磨く教育を大いに展開いくことなど、「不易」をきちんと現代の教育状況に応じて評価するということが大切である。

 そして、同時に、社会の変化を敏感に感じとり、今求められている改革への誠実な取組みと 児童・生徒への暖かいまなざしを失わないことも教師の大切な役割である。

  学校を生徒にとっても教師にとっても、生き生きと活動できる場にするには、「不易」と「流行」の両面をバランスよく保ち、理念をしっかりもち、教職員自身は意識改革を怠らないことが必要であり、校長には、そうした教職員の育成と学校改革への取組みを推進してもらいたい。

 


ワンポイント・アドバイス
 
明治の教育は国家建設のための教育、戦後の教育は個人の尊厳の教育、21世紀は心豊かで、国際社会に生きる教養ある日本人を育む教育。そのために教師は感性を磨き、志を高く掲げ、高い見識とプライドを持つよう、 つねに意識改革を図っていかなければならない。


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